『エジプトがすきだから。』はどんな本なのか?
2人組のユニットk.m.p.が、エジプトでの100日間にわたる旅を通じて、現地の庶民の暮らしや文化、日常の出来事をユーモアと共に描いている旅行記です。エジプトの観光地や歴史的背景だけでなく、現地での食事やトイレ事情、ホテルの様子など、旅行者ならではの視点で描かれていて、イラストや写真を交えながら、エジプトの魅力を余すところなく伝えています。
購入した経緯は?
元々旅行が好きで、紀行文や旅行記、旅のエッセイなどよく読んでいました。どこか海外へ行きたいなと思い調べだした時コロナが流行り、どこへも行けなくなり、不安が募る中、気持ちだけでもどこかへ行きたいと思った時見つけた本です。Amazonで面白そうな旅行記がないかなと検索し見つけたので、本の中身まではわからず口コミを読んでみました。どの口コミも、エジプトに行きたくなる、どこかへ行きたくなると書いてあり評価も高く興味を惹かれました。ただ、文字がぎっしりでものすごく小さくて読みにくいと書いてあるのもあり、もし文字だけがぎゅうぎゅうに書かれていたらという不安もありましたが、エジプトへの興味と旅気分を味わいたいという想いが強く購入してみることにしました。
実際に読んでみた感想は?
エジプトって面白い!私も行ってみたい!というのが、率直な感想です。本の中にエジプトの人、気候、食べ物、習慣、お店、などなどあらゆる情報が詰まっています。本を開いた瞬間から作者の2人のエジプト愛が溢れ出していて、その気持ちを抑えられない印象でした。ガイドブックには載らないリアルなエジプトの姿が、k.m.p.らしいゆるくて温かい視点で描かれていて、読んでいるだけで一緒に旅をしている気分になります。市場の喧騒やホテルのハプニング、トイレの戸惑いまで、旅先の“あるある”が満載で共感しっぱなしでした。写真とイラストのバランスが絶妙で、旅の記録としてもとても魅力的。読むたびに旅に出たくなります。

本の特徴は?
最大の特徴は、旅行記でありながら観光名所中心ではなく、日常の些細な出来事や感情、現地の人との何気ないやりとりに焦点を当てている点です。ガイドブックのような情報性ではなく、旅する気持ちを丁寧に描いているところが大きな魅力です。「トイレが流れない」「道に迷う」など、リアルで笑える旅の現実を包み隠さず紹介。旅先の不便さや戸惑いさえも楽しんで描かれており、それがこの本だけの独自の強みだと思います。観光ガイドではなく、旅を味わう感覚を大切にした、読みながら旅の空気を感じられる一冊です。
本を購入する際の注意点は?
情報が古くなっている可能性がある
初版が1996年発行なので、エジプトの観光地や施設の情報が古くなっている可能性があります。現地の状況や施設の運営状況が変わっている場合があるため、最新の情報と併せて参考にすることをおすすめします。
文字が小さく感じる可能性がある
そして口コミの中にも記載があり、読んでみて実感したのですが、文庫版として販売されているため、文字が小さく感じる場合があります。作者の伝えたいことがたくさんあるので文字もびっしり書かれていて、情報量も多いです。気軽に読みたい人や、目が疲れやすい人などは注意が必要かもしれません。
本の中で一番良かったところは?
異文化のやりとりの面白さ、実際のエジプトを追体験できるところだと思います。
エジプトが好きで好きで何度も旅をしながら、何度も騙されて腹が立ったり、危ない目にあったり。それでも文化の違う国の人たちの思いやりやおもてなし、気遣いに触れてまた訪れてしまうエジプトという国の魅力が感じられます。
現地のパン屋で言葉が通じず、身振り手振りだけでパンを買おうとするk.m.p.の二人に、店のおじさんがにっこり笑って「まぁまぁ、座って」とチャイを出してくれる場面があるのですが、パンの焼き方や種類を教えてくれたり、近所の子どもたちも集まってきて、小さなお祭りのような雰囲気になります。観光地では味わえない、現地の暮らしの空気と人とのつながりが、優しく温かく描かれていて、旅先での偶然の出会いがどれほど尊いものかを実感しました。
そんな現地での実際のエピソードがいくつも詰まっていて、異国であっても同じ人間同士だから気持ちは通じるんだなという大切なことを気づかせてくれます。
この自然なふれあいこそが、この本の最大の魅力だと思いました。
著者の人柄や性格は?
k.m.p.は、なかがわみどりさんとムラマツエリコさんの2人で活動されているユニットです。2人で「本」をかいたり、「雑貨」をつくったり、「旅」をしたりされています。好きなことでお金を稼いで生きていきたいというモットーを掲げられていて、2人の仲の良さが本の中でも感じられます。
本で得た知識や考え方などを活かして今後どうしていきたいか?
この2人のように、違うことを恐れずに、幅広い視野を持つためにも、色んな国に行ってみたいと思いました。別の文化、価値観を知ることにより、今まで見えなかったものが見えるようになり自分の幅を広げてくれると思います。豊かな人生を送るためにも、色んな体験をしてみたいと感じました。

最後に一言
この本にはエジプトの個性ぎっしり詰まっていて、読んだ後エジプトが大好きになります。旅好きな人には是非、読んでほしい一冊です。